明確で、単純で、間違った答え

緊急事態宣言の発令後、在宅での勤務が続く中、自分の本棚を眺める頻度が格段に増えました。日々変わるニュースに、まさにVUCAの時代だと実感しながら、背表紙を眺め、この中に詰め込まれた知恵や情報を自分はどれくらい役立てられているか、役立てられていけるかと考えると、まだまだやれることがいっぱいあるなと感じます。
手にとってみると、読んだはずなのに驚くほど中身を覚えておらず、読む度に新しい発見があるのですが、中には読んだときに大きな気づきや共感があり、大事にしている言葉がいくつかあります。
その一つに、「複雑な問題には、必ず、明確で、単純で、間違った答えがある。」ヘンリー・ルイス・メンケン(ジャーナリスト)という言葉があり、難しい問題に直面した時に、いつも思い出します。
過去の経験から自分が出した案に固執して状況を悪化させたこともありますし、あの人が言っているんだから大丈夫だとよく考えずに行動して失敗したこともあり、間違った答えを選択してしまうケースはいくつも思い出されます。
また、「明確で、単純で、間違った答え」は「明確で、単純な」ため、人が理解しやすく、信じやすい、影響力があると思います(かつて信じられていた天動説、その他迷信など)。その答えを採用した人が増えると、間違いに気づいても後戻りできずに問題が大きくなってしまう、そういったことも想像してしまいます。
思い当たることが多く、様々な解釈ができると思いますが、自分は、「自分が選択した答えは間違えている可能性があること」を、答えを選択するとき、実行するとき、関連する情報が更新されたときなど、各場面で思い出し考えることで、その時の状況に適応していくことを心がけております。

現在も、地域、時間軸、専門家、コメンテーター毎に様々な情報や意見が発信され、何が正しいのか判断することが難しい状況にあると思いますが、その中でも、安易に正解に飛びつかず、よく考え、また、一人で考えるのではなく、家族、同僚、友人ともよく話し合い、この先にある未来を想像しながらこの状況を乗り越えていきたいと思います。(山口)

geocentric theory