最近立て続けに数社より「若手(新卒3-5年目)のモチベーションが低下している」とのお悩みをお聞きしました。原因の一つが「自分の求めていた仕事と違う」「このまま働いていて、自分の希望が叶うのか」という思いによるものだということです。最悪のケースでは離職に至り、その割合が増えているように感じるとのことですが、このような理由による転職では、次の働き先でまた同じことの繰り返しになるのでは?と心配になります。
私の新卒の頃のように、とりあえずいい企業に就職すれば終身雇用と右肩上がりの待遇で安心… 仕事の楽しさややりがいはそのうちに生まれてくるだろうという大らか(いい加減?)なキャリア志向の時代とは違い、最近は明確なキャリア目標を決めている(求められている)人が多いのか、そしてもしかしたら、決めたらその通りにすべき、という柔軟性のなさがあるのかもしれません。インターンなどで学生時代に志望先の具体的な仕事に触れる機会も多く、良くも悪くもイメージを作りやすいことも影響しているか、と推察します。
多くの方がそうだと思いますが、今の自分は当初の想定と全く違う世界でやりがいを感じ、生計を立てています。職種や技術などはあっという間にその姿を変え、新しいものが次々と生まれ、求められる専門性は変化し、自分の興味も大きく拡がっていく時代です。社会の中で自分の成長のレールが決まっていることなどありえなく、偶然と努力の間で自分自身が形成されていく…
自分のやりたい仕事の大枠の方向性は持ちながらも、組織を選ぶ基準はその組織の価値観や文化が自分の考えとマッチしているか、を重視し、その中でやるべきことや与えられたことでしっかりと成果を上げ、物事を考え判断する軸を磨くこと。それを繰り返すうちに、本当に自分が生きていくべき道が見えてくるのだと思います。そんなことを、お話を頂戴した研修講義で若者たちにお伝えしたいと考えております。(本間)