「”理想”を諦めるんじゃない。”理想と現実の一致”を諦めるんだ。
”理想を諦めること”と、”理想と現実の一致を諦めること”は全然違う。」
以前、プライベートで子供の教育について学ぶ勉強会に出席した際に、お聞きして心に残っている言葉です。講師の先生から、”躾”をテーマにしたワークショップで、参加者から出た言葉と紹介いただきました。直感的には「なるほど」と納得できますが、まだ自分の言葉にはできていない言葉になります。
ある時、思ったような行動を取ってくれない長男を感情的に叱ってしまった時に、反省しこの言葉の意味を考えました。
自分の理想は、息子たちが社会と関わり、仲間をつくり、貢献できるようになって欲しいこと。
でも現状では、発達が遅く、言葉が不明瞭だったり、身につけなくてはいけないことも多く、周りとのコミュニケーションで不安があります。
息子たちの将来を考えると、我が社のテーマである、”日本のどの職場でも、誰もが得意を見つけて成長していけること”が実現できたらと強く思います。
以前、勤めていたスターバックスでは、誰でも暖かく迎え入れ、みんなの居場所となることを使命としていました。みんなが活躍できるように取り組んできた店長に、具体的に何をやってきたかを聞いたことがあります。15年前、店長が受け入れたある女性は、”読み書き”や”数の理解”が得意でなく、数社で採用を断られていたといいます。
最初は商品棚の清掃。タンブラーをどかし、棚を拭いて、元の位置に戻し、整える。1日で1段がやっとだったのが、1ヶ月後には棚全部をきれいにできるようになりました。みんなで彼女の次の目標をたて、コーヒーの袋詰め、食料品の補充など、一つ一つできることを増やしていき、今では、レジもドリンクもお店の全ての業務をこなし、他の店舗でも勤務するのだそうです。
既に得意があればそれを活かす。今は得意がなくても、その瞬間の技量で判断するのではなく、その人の本当の強みを探していきながら、その人の成長を一緒に考えていく。
組織にそういう力がつけば、誰もが成長できる職場の実現につながるのではないかと思います。
今、理想と現実が一致していないからと理想を諦めるのではなく、理想は諦めず希望を持ち、想いが同じ仲間と共に成長ができる、そんな職場を増やしていきたいと強く思っております。(山口)