今月、某企業にて半年間に亘って実施してきたプロジェクトマネジメント研修を打ち上げました。プロジェクト進行に必要な知識を学びながら、組織における実際の課題解決を図り、メンバーやステークホルダーとの関係の中で自分自身のリーダーシップを磨くという、実践型研修です。
若手社員を中心とした13名のメンバーが3チームに分かれ、それぞれのテーマで課題解決を実施しました。課題定義の仕方、データ収集と分析、プロセスの見える化とTo Be のデザインなどのプロジェクトの必須スキル研修と、ファシリテーションやプレゼンテーションなどのビジネススキル研修、そして具体的課題に関するディスカッションを織り交ぜて進め、実現した成果を最終的にスポンサーに報告して終了しました。
過去、多くの企業で実施しているピコクリエイトのメインプログラムとも言えるものですが、毎回多くの気づきがあります。各社に共通して言えるのは、「課題定義力」が弱いということ。正しく数値を定義することや、現状のプロセスを可視化することは、プロジェクトを進める上での大前提と言えます。ここが揺らいでいると、正しい姿が見えないだけでなく、常に自分たちが進めていることに迷いが生じ、やり直しが発生することにもなります。プロジェクトマネジメントの実践で学ぶべきことは、日々の業務に活かせる基礎スキルであるということ、その経験が各企業で足りていないということを、あらためて認識しました。
一方、今回の企業での良い気づきは、メンバーが若く、考えるよりも早く行動を起こすという点。中堅以上の世代になると、経験が豊富になるためかじっくりと考えることが先になり、行動が遅くなる傾向があると感じます。とにかくアクションを起こしてみて、成功または失敗から学ぶということは、特に変化の読めない時代においては非常に重要なことと思います。組織においては各階層が意識して行動し、そこからの学びを評価すべきであるし、自分自身も心がけ実践しなければ、とあらためて感じました。
各セッションの最後に、メンバー同士の+&Δフィードバックを実施します。お互いの強みと改善点を伝え合い、次の行動に活かす仕掛けです。この繰り返しで個々が成長し、それぞれの持前のリーダーシップを作り上げていきます。今回も半年間の活動の中で個々が成長し、それをメンバー自身で感じ取れていたようで、プログラム終了時のメンバーのコメントの中で「お互いのフィードバックが非常に有効であった」という声が多く聞かれました。
実践する→振り返る→次に活かす という実践教育の有効性をあらためて感じたセッションになりました。(本間)